先週、病院実習で保健所に見学に行きました。公衆衛生の勉強でしかお目にかからない単語ですが、実際行ってみると見えてくるものもありますね。研修医2年を含めてみても8年間でこの機会しか見る機会がないということで経験としては良かったです。
実習内容
衛生研究所を主に見学させていただきました。初めに衛生研究所では感染症の予防、食品や医薬品などの安全確保、快適で健康な生活環境の確保など、市民の健康問題に対して調査研究、試験検査に積極的に取り組むとともに、研修指導や公衆衛生情報の収集・解析・提供などを通して衛生行政の科学的・技術的中核であるという説明を受けました。館内を案内され各々の部署でどのような業務をしているかの説明を受けました。理化学部では食品中の添加物を軽い実験をさせてもらいながらクロマトグラフィーを利用して分析していく行程を教えていただきました。
最後に保健所に戻ってからは保健所長の鈴木先生より保健所における医師の役割の説明と館内の案内をしていただきました。
保健所における医師等職員の役割
保健所における医師の役割としては、疾病対策、母子保健、精神保健福祉、食品や環境などに関する生活衛生、近年では管内の病院や関係機関と連携しながら、地域保健、小児科・産科医療体制の整備、健康危機管理体制の整備、地域包括ケアシステムの推進等に関する調整を行うなど、地域における健康や医療の課題解決に向けた連携・調整を図る仕事をしています。市町村が実施主体となっている乳幼児健診やワクチン接種などの母子保健事業、特定健診や特定保健指導などの成人保健事業なども合わせて行っています。
このような仕事を進める上では、医師は医療職、事務職を問わず様々な職種の人たちと連携して仕事を進めることが多いです。
今回の実習では衛生研究所の見学を主にさせていただいたので、医師と連携する医療職の方々の役割を多く知ることが出来ました。
衛生研究所では微生物部、理化学部、地域調査部、の3つがある。
- 微生物部 性感染、食中毒などの原因となる細菌や原虫、食品・飲料水の微生物、動物由来感染症の病原体の検査や調査を行う。エイズ、インフルエンザ、麻疹などの感染症の原因究明と感染拡大防止のための調査を行う。
- 理化学部 食品の中から残留農薬や添加物を抽出して基準値を超えていないか調査する。食品や環境中の放射性物質の調査をする。実習中はアーモンド中のシアンを検出していました。
- 地域調査部 旧市街以外の津久井市などではいまだに水道ではなく井戸水を使用している地域が存在しており、その地域などで井戸水の細菌調査などを行っている。
実習についての感想
4年生の公衆衛生学の授業では、机上の話ばかりで病院と保健所の関係性を今一つイメージすることが出来なかった。今回保健所の見学をすることで、保健所から病院という方向性の視線で見ることが出来た。衛生研究所で医師と医療職の人の連携を見ることで、公衆衛生でどのレベルまでの調査をしているのかを知ることが出来た。この経験は医師となったときにぼくが病院で患者を目の前にして、どのように振舞えば公衆衛生の観点から地域に貢献できるかを考えるきっかけとなり、この先に公衆衛生学を学ぶ上で指標とすることが出来ました。
保健所でいくつか啓発目的のポスター👆を見ましたが、いつもの生活でそれを目にすることはありませんでした(目にはしてるかもしれないけど、認知していない)
保健所の目的の一つに啓蒙活動というものがあるが、もう少しアクティブにやっていけたらいいのではと思う。保健所の仕事はQOL高めということを売りにしているようだが、受け身な仕事ぶりではやることも少なくて済むっていう役所仕事あるあるな気がしてきた。
参照:神奈川県衛生研究所
コメント待ってます!