2019年5月に書いた記事です。研修2年間を通じて変化したかをアップデートすべく書き直しています。医学部6年の前半の大きなイベントとして、マッチングがあります。
他の就職はどうかわかりませんが、医学部から初期研修の病院が決まるのは、お見合いみたいにマッチングしたら決まりって感じです。言葉ヅラは素っ気ないですが、マッチングアプリを使ってる人たちみたいな軽いもんではありません。マッチングにはそれなりの準備をして臨む必要があります。
今回はこのマッチングに向けて、
初期研修病院を選ぶポイントを考えたいと思います。
初期研修病院に求めるものって色々ある
大きく分けて
- 学び
- お金
- 立地
- 入局
- 忙しさ
だと思います。
人それぞれ選ぶポイントはあって良いんですが、2年間乗り切る必要があるので、
マストな事項として、
健康に良い悪いは考えておいた方が良いでしょう。周りにも健康被害とかメンタル病んでしまい研修仕切ることができず延長せざるを得ない状況になってしまった人もいました。
そりゃ、
部活バンバンやってました
いつもアウトドア派です
主食はジムでプロテインです
って人と、
ヒョロヒョロ〜
でぶ〜
運動ゼロ〜
って人とはバイタリティが違うので、自分に合った健康基準で選びましょう。研修病院として考えている場所に見学に行った際にどのようなポイントで質問したら良いかわからないと思います。次の3つの質問はマストで聞いたほうが良いとおもいます。不躾に聞いてしまうと反感を買う内容であるので、聞く人、聞くタイミングに配慮はしたほうが良いでしょう。そこらへんの機微は病院実習で十分身についていますよね?
明けはありますか?
時間外はありますか?
EPOCはゆるいですか?
これら3つがなぜ大切なのかを示す論文を読んでいきます。
健康に悪い職場に共通する7つの特徴って論文
南フロリダ大学の研究によると、どんな条件の職場がもっともヤバいのかをメタ分析してくれています。
以下に示す「健康被害」
- 頭痛
- 腰痛
- 不眠
- 胃腸の不調
といった症状がどれぐらい出やすいのかを調べたそうだ。
7位 長時間労働
会社にいる時間が絶対的に長いかどうかです。長時間労働が体を壊すってのはわかりやすいですが、他に比べるとストレスには感じないみたいですね。
長く病院に拘束されることが健康に悪いわけではなさそうなので、当直それ自体を乗り切ることは案外できました。ずっとよくわからない手技を見学しているとかは辛いです。
6位 コントロール感がない
例えば当直をするにせよ、自分でこの日に当直にしたって事実が大切なようです。人間の幸福にはコントロール感が大事なんです。
自分で積極的に動ける人の方がシビアに捉えてしまうのかな。
指示待ち人間には関係ない気もします。
ぼくの研修病院では当直の主な業務は救急外来でした。研修医7人くらいでひと月の当直を全部埋める必要があってなかなか埋めるのは大変でした。ときには入りたくない日とかに入る必要が出てくるんですが同期で相談している分納得して当直に臨むことができました。
5位 役割があいまい
「仕事でなにを求められているのかわからない……」とか「自分は何に責任感を持てばいいのかわからない……」みたいな感覚をあたえる職場のことです。たしかに初期研修医ってどこまでやってどれはやってはいけないのかが不明瞭だから辛そう。
ちなみに「役割のあいまいさ」は、労働者の疲労感ともっとも相関してます。
チーム医療の名のもとに多職種が協力して仕事に取り組む分、役割分担の重なってしまう部分がどうしても出てきてしまいます。これやって良いのかなと思いながら仕事するのはとてもストレスなことです。ぼくはコミュ障ってこともあるので、日頃から積極的に動くようにして、曖昧な部分はすぐに聞いちゃうってスタンス作りを心がけました。曖昧な部分はどうしても出てきてしまうので声掛けでカバーしないと患者のためになりません。
4位 作業負荷が高い
長時間労働と似てますが、こちらは「時間あたりの労働量」を意味してます。ハイパーかってことだね。時間がないわりにやることが多い!みたいな状況のことでして、いかにも体に悪そうですが、研修医には必要なことかもしれません。作業負荷が高ければ高いほど、得られる学びも多いならば満足感も大きいはずです。
3位 ネガティブなコミュニケーション
嫌な上司や気の合わない同僚からイヤミを言われたり理不尽に暴言を吐かれたりなど、とにかく会社の人からのパワハラが多いほど健康には悪影響が出ちゃう。雰囲気って大切ですね。
2位 役割の衝突
一貫してない指示がガンガンに飛んでくるような職場のことです。ある医師からはカンファレンスにでろと言われたり、他の医師からは採血してきてなど一気に出来ないだろなんて思ってしまうとよろしくない。いかにも体に悪そうでして、とくにストレスで胃が痛いなどの消化器の不調と強く相関してたとのこと。
1位 仕事の制限が多い
もっとも体を病みやすい職場の条件は、「仕事上の制限が多い」でした。
- 作業をこなすのに必要な人員がいない
- 仕事に必要な情報が手に入らない
仕事しづらい環境が1番辛いんでしょうね。
とくに疲労と消化器官の不調と相関してたとのこと。
組織行動学の世界では超有名なジェフリー・フェファー教授の論文
スタンフォードの教授で、日本でも人気の「影響力のマネジメント」とか書いてる人です。
- 作者: ジェフリー・フェファー,奥村哲史
- 出版社/メーカー: 東洋経済新報社
- 発売日: 2008/08/01
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「仕事と健康」に関するデータ228件から、質の高いものだけを選んでメタ分析したところ、
体を壊す職場の条件トップ10がわかりました。
- 保険がない
- シフトワーク
- 長時間労働
- 業績が不安定
- 仕事のせいで家庭に不和が起きる
- 仕事に関する権限が少ない
- 仕事の責任が重すぎる
- 逆に仕事がない
- 社会的なサポートが少ない
- 組織内の不公平
南フロリダ大学の研究とも重なるものが多いですね。体を壊すとは、メンタル壊す、通院する、早死にすることが言えます。
🔺は昭和、平成に置いていきたい根性論です。
まとめると、
仕事に自由さを感じよう!
家庭ファーストでいこう!
自分のイシューを持とう!
ってことなんで、体を壊さない初期研修病院を選びましょう。ストレスとか、睡眠不足感じたらまずは瞑想しましょう🧘♂️🧘♀️
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