マッチングも近づき、それぞれ受ける病院の試験内容や面接内容をシェアすることがある。その中に研修医として必要なエッセンスが隠れていることが多いと考える。
ある病院では
『主治医から担当医に変わることで、何が変化するか?』
と聞かれたことがあるらしい。ぼくは、はじめて聞いた時、はて❓と意味がわからなかった。よくよく考えてみるとspikesモデルのことを言ってるのではないだろうかと気づいた。
昨年の医師国家試験113B28でも問われている内容だ。
検査を受けて癌が発見された患者に対して(問題文略)、悪い知らせを伝える際のSPIKESモデルの「P」に相当するのはどれか。
国家試験にも出るくらいの重要事項ってことですな。
SPIKESモデルとは
- Setting: 非常にプライベートな環境を提供すること(インフォームドコンセントは個室でやってたのを思い出します。)
- Patient perspective;患者さんの置かれている状況を理解すること (患者さんの単なる統計学的な対象ではない)
- Information; 患者さんや家族がどこまで知りたいのかを考えること (治らない病気なら知りたくないですよね。)
- Knowledge; 悪い知らせを告げたあと、患者さんの声を聴くこと(シェアし合うことが大事って思います。)
- Empathize; 患者さんの気持ちになって「この知らせを聞くのは辛いことだと思います」などの共感を示すこと (多分これが1番大事)
- Strategize next steps; 次に何ができるのかの戦略を示すこと (この病院に来なくてもいいとの一言で終われば、医者はいらない。ロボットで十分だ)
要は、人間の医師である素質を6つに凝縮してるってことだね。これらを失うとAIでもいいんじゃねってなる最終防御ラインでもあるでしょうな。
医療の現場で大切なのは人と人との交流です。未だにAIよりも人間の医師に診てもらいたいというのはヒューマニズムある医師の方が安心するから。
たとえば、余命幾ばくかの癌患者に、治療or人生を謳歌の選択をさせることは医師側にもとても難しい。ぼくが患者の立場でも選択出来ないと思うし、余程のバイタリティを併せ持っている必要がある。Empathize=共感を持って接することが、最低限のマナーでもあるが、現状は仕事に追われて忙殺してる医師が多いなという印象を病院実習では受けました。
AI or人間の医師という選択ではなく、
緻密なAIand温かい医師の二方向から患者を治す方が良さそうです。患者を治すというより、患者を担当している一人という意味が担当医という言葉には表れているのだとおもいます。
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