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外来で「どんな運動をしたほうがいいですか?」って聞かれることが多い。8500歩あるきましょう!

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医師4年目になり外来もやってます。毎回問題はぶち当たります。周りの上級医に聞いて事なきを得ることも多いですが、コミュ力の問題って場合もあります。

どんな運動をしたほうがいいですか?

って聞かれることが多い。主に術後患者の家族から聞かれることが多い。これからどんどん頑張っていこうという意識を感じることができるので、真摯に答えてあげたいけどあまり明確なエビデンスをもって答えてあげられていないのが現実問題です。他にも車椅子にのって来てカリカリおじさんとかきてて、どうみても運動不足だしMRIでも筋肉ペラペラだし、こんな薬でどうこうって問題ではない。

日頃から歩くことは、健康を維持するために非常に重要な活動です。多くの人々が日常生活で歩くことを当然のように行っていますが、実際にはその恩恵や効果は見過ごされがちです。

歩くことには、身体的な健康への多くの利点があります。まず第一に、歩くことは心臓や血管の健康を促進します。有酸素運動としての歩行は、心拍数を上げ、血液の循環を改善し、心臓の負荷を軽減します。これにより、心血管疾患のリスクを低減することができます。

さらに、歩くことは体重管理にも役立ちます。適度な運動を続けることで、カロリーを消費し脂肪を燃焼することができます。定期的な歩行は、体脂肪の蓄積を抑制し、肥満や過体重のリスクを減らすことができます。

また、歩くことは筋力や骨密度を向上させる効果もあります。歩行は、下半身の筋肉を使うため、脚部の筋力を強化するだけでなく、骨に対する負荷も増加させます。このような負荷刺激は、骨密度を向上させ、骨粗鬆症や骨折の予防につながります。

さらに、歩くことは心理的な健康にも良い影響を与えます。自然や景色を楽しみながら歩くことは、ストレスを軽減し、リラックス感をもたらします。また、歩行は脳の血流を増加させ、認知機能や記憶力の改善にも寄与します。

総じて言えば、歩くことは健康と幸福のために重要な要素です。日常生活で歩く習慣を持つことは、疾病の予防や健康促進につながります。身体的な利点だけでなく、心理的な面でも良い影響を与えるため、できるだけ積極的に歩く習慣を取り入れることがおすすめです。

Prolonged sitting negatively affects the postprandial plasma triglyceride-lowering effect of acute exercise

上の論文を読んでみるとやっぱり歩くって大事ぽい。意識的に歩いている人でも外来で

だいたい3,000歩くらい頑張っています

 

との回答があります。しかし、この論文の結論からすると普段から結構歩いている人の方が歩くときのメリットを受けやすいという結果になっています。

 

  1. 普段から1日~17,000歩を歩いている人
  2. 普段から1日~1650歩しかしか歩かない人

 

といった人たちがランニングマシンで激しい運動をした場合、「1日~17,000歩の人」は「1日~1650歩」の人より脂肪が燃えやすかったというんですな。普段からよく歩く人ほど、激しい運動のメリットが大きくなるわけっすね。

Daily Step Count and Postprandial Fat Metabolism

 

ただ、この現象については、「毎日どれぐらい歩けば激しい運動のメリットを減らさずに済むの?」ってのはわかってなかったんですよ。どんぐらい普段から歩いておかないとヤバいのか?って問題っすね。

 

  1. 健康的な男女10名が対象
  2. 「1日2500歩」「1日5000歩」「1日8500歩」の3パターンを設定し、みんなに2日ずつ歩いてもらう(各パターンを実施する際は、少なくとも1週間の間隔を空けている)
  3. 2日目の夜に、各パターンとも最大酸素摂取量の64%で1時間のランニングを行う
  4. その後の脂肪の燃え方をチェックする

 

といった感じになってます。要はみんなにいろんな歩数で歩いてもらい、それぞれでカロリー消費に違いが出るかを見たわけですね。当然、食事が違うとカロリーの使われ方も違うので、運動の後にみんな同じ高脂肪シェイクを飲むように指示したらしい。

 

 

それでは、結果を見てみましょうー。

 

  • 食後における中性脂肪の濃度は、1日8500歩よりも2500歩と5000歩のときの方が有意に高かった
  • グルコースの反応については、条件間で有意差は認められなかった
  • 1日2500歩と5000歩のときの比べて、1日8500歩の後の運動は、より脂肪を消費する量が増えた(2500歩と5000歩のときは脂肪酸化が14〜19%減少し、中性脂肪の増加面積が22〜23%増える)

 

ということで、やはり1日の歩数が少ないと、有酸素運動による中性脂肪の酸化(要するにエネルギー化」が低くなっちゃうっぽい。簡単に言えば脂肪が燃えにくくなるわけっすね。

 

 

まぁサンプルが少ない研究ですし、各条件における参加者の食事データが提供されてないので、どこまで酸化量が歩数の影響を受けたのかと言われれば、やや心もとないところはあります。また、参加者の平均年齢は26歳までの運動をしない人がメインなので、いつも激しいトレーニングをしている人には当てはまらない可能性があるところご注意くださいませ。

 

 

とはいえ、「普段の歩数がエクササイズの効果を左右する」ってポイントについては先行研究もあるので、気にしておいたほうが良いのは間違いないところ。今回のデータを参考にすれば、やっぱ1日あたり8500歩は最低ラインになるのかな〜とは思いますね。

 

8500歩歩くって結構難しいようでした。

記事を再度あさりましたので、コチラも読んでいただければ幸いです。

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