プロテインは以前より当たり前になりつつありますが、それは筋トレを意識している人だけのような気もします。僕は整形外科であるので、骨折をよく見るのですが、術後のリハビリテーションとプロテインの関係性はあまりみられません。検食を当直のときに食べるのですが、たしかに美味しいけど、プロテイン足りているかは微妙なところです。
高齢者の健康維持と栄養摂取は、ますます重要な課題となっています。特に、筋力の減少や栄養不足といった問題は、高齢者の生活の質や独立性に直接影響を与える可能性があります。最近の研究では、高齢者にもプロテイン摂取が有益であることが示されており、それを実践することがますます注目されています。
プロテインは、私たちの筋肉や骨の健康を維持するために必要な栄養素です。しかし、年齢とともに筋肉量が減少し、タンパク質の合成能力も低下していきます。これにより、高齢者は筋力低下や身体機能の低下のリスクが高まる可能性があります。
そこで、高齢者にプロテインを摂取させることは、筋肉の維持や修復をサポートし、身体機能の向上に寄与することが期待されています。プロテインは、筋肉の合成を刺激し、筋力や持久力の向上に役立ちます。さらに、骨密度の維持や免疫機能の改善にも関与すると考えられています。
また、プロテインは他の栄養素と組み合わせて摂取することで、より効果的な結果をもたらすことがあります。たとえば、ビタミンDやカルシウムとの組み合わせは、骨の健康を促進する効果があります。同様に、エネルギー源としての炭水化物と組み合わせることで、エネルギーレベルの向上や運動能力の向上にも寄与します。
高齢者にプロテインを飲ませることは、食事からの栄養摂取の補完として非常に便利です。食欲不振や嚥下困難などの問題がある場合でも、プロテイン製品は簡単に摂取できます。また、多くのプロテイン製品は味や飲みやすさに配慮されており、食事のバリエーションを豊かにすることもできます。
総じて言えば、高齢者にもプロテイン摂取は推奨されるべきです。筋力維持や身体機能の向上、健康な老化をサポートするために、プロテインは重要な役割を果たします。個々のニーズや状況に応じて、医療専門家の指導のもとで適切なプロテイン摂取方法を選択することが重要です。
昔は1日に体重1キロあたり0.66gのプロテインを摂取しよう!と言われていたようなのですが、(教科書的なものを参照)アミノ酸酸化指標法が取り上げられてからはもっと大量に必要なことがわかってきたんですね。
当面の僕の疑問点としては、
Dose-response relationship between protein intake and muscle mass increase: a systematic review and meta-analysis of randomized controlled trials
プロテインの研究のメタ分析です。
平均期間:19.8週間(MAXで18ヶ月)
プロテインについて
- 1キロあたり0.64~3.50g
- タンパク源はホエイ、カゼイン、大豆、グルテン、卵など
OUTCOMEは筋肉量の変化について
- プロテイン摂取量が1日1キロあたり1.3g未満の場合には0.1g増えるごとに除脂肪体重が0.39kg増加した
- プロテイン摂取量が1日1キロあたり1.3g以上の場合には0.1g増えるごとに除脂肪体重が0.12kg増加した
- 筋トレをしている場合には1日1キロあたり3.5gまで飲んでも効果があった
つまり、整形外科入院中の高齢者にプロテイン摂取は必要そうであると思える論文でした。
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