J integr Med. に掲載されたCore muscle functional strength training for reducing the risk of low back pain in military recruits: An open-label randomized controlled trialを紹介します。この研究の背景なんですが、
- 腰痛の潜在的な原因のひとつとして、脊椎の腰部を安定させる腹直筋、外腹斜筋、腹横筋などの体幹の筋肉が弱いケースがある
- それならば、体幹の筋肉を鍛えることで脊柱が安定して腰痛も改善するはず!
- なかでも「体幹筋機能強化トレーニング(CMFST)」は腰の安定に効くだろうから、腰痛のリスクも低減してくれるんじゃないの?
腰痛に運動が効果があるってのは昔かいわれている話でして、腰回りの筋肉が弱い人は、歩くときも腰がぐらぐらしちゃうから、そのせいで腰痛が起きてるんじゃないの?ってことですね。ただし、いままで体幹トレーニングと腰痛の関係を調べた調査は少なかったんで、今回はかなりガッツリと効果をチェックしてくれてます。面白いですね。
このテストは12週間のRCTは、中国海軍で基本的な戦闘訓練を受けた男性588名を集めて、体幹トレーニングをするグループとなんもしないグループのいずれかに割り当てたそうな。体幹トレーニンググループは、週5日の戦闘訓練を受けながら体幹の運動も行いまして、
片側ヒップブリッジ
四足歩行
サイドブリッジ
クロスタッチつま先腹筋
っていう4つのコアエクササイズを1日3〜4セット実施したらしい。そのうえで、12週間のテスト中にどれぐらい腰痛を発症したか、腰の筋持久力はどれぐらい変わったか、腰痛の痛みに変化は出たかってのを調べたら、結果はこんな感じになりました。
- 体幹トレーニングをしたグループに腰痛が起きる確率は、何もしなかったグループよりも低かった(10.8% vs. 20.8%)
- 多くの交絡因子(年齢、教育水準、BMI、ウエスト・ヒップ比、腰の筋持久力など)を調整したロジスティック分析では、何もしなかったグループの腰痛のオッズは体幹トレーニングをしたグループのオッズの約2倍だった
- 体幹トレーニングをしたグループは、腰の筋持久力が何もしなかったグループより改善し(26% vs.75%)、腰痛の痛みなども改善された(52% vs.23%)
ということで、全体的に「かなり良いのでは?」って結果になってます。実験の内容もわりと良好で、海軍に所属している男性を選んだことで、データに影響しそうなノイズをかなり排除できてるのがすばらしいですね(海軍はみんな同じような生活をしているので、ライフスタイルの違いで結果がゆがみにくい)。
- どんな運動でも、なんもしないよりは確実に腰痛はやわらぐ
- しかし、いろんな種類の運動を比較してみると、有酸素運動などよりも体験を鍛えるエクササイズのほうが、腰痛の痛みと頻度の改善には効果的なのかもしれない
って印象がありますね。個人的に、体幹系の運動ってプランクぐらいしかやってこなかったんですが、今回の結果を見たら、もうちょい幅広い体幹トレーニングをしてみるか……って気になりましたね。
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